人気ブログランキング | 話題のタグを見る

三国志1~13

北方 謙三 ★★★★★★★★☆☆8/10
文庫本で13冊。
三国志は10数年前に陳 舜臣のを読んで以来。レッドクリフ上映に触発されて読み始めた。
面白かった。

三国志正史を元にリアリティのあるように書いたとのことです。

曹操対劉備の比較が物語の核といっていいのかな? それだけに亡き後の3冊は正直退屈だった。

帝に対する考えが違う

劉備は帝の血を長く続けることによって神聖なものになる。漢王室400年、更に1000年、2000年と続ければおかしがたくなる。
それを中心にして、帝自体は政治はやらずに象徴として置く。それにより戦争がおこり難くなる。日本の天皇に近いのかな。

曹操は血はよどんでいくもの、武力で天下統一して、統一したものが帝になればいい。

たしかに劉備の考えは正しい面もある。中心があることによって、戦乱は起こりにくくなる。素晴らしい志なのだろう。
だからこそ、それに賛同してくける人が出て勢力を作ることができたのだろう。

それでも自分は断然曹操派ですね。戦乱の原因になったのは現在の帝なんだ。
そして乱世なのだ。 今日明日幸せにできない人に1000年後の幸せを語る資格なんてない。
何て事はない、ただ戦争好きな男の物語なんだよな。
君たちが気持ちよく民の為に戦うって戯言を語ってるうちに民は飢え死にしてるんじゃないのか!!
無理な戦を仕掛けて、兵糧をとりあげて、1000年後の幸せ、アホですか、君は。
民の為といいつつ戦乱を長引かせてるだけだろう。
諸葛亮は頭がよすぎるから、わかった上で「志」に囚われて戦争を仕掛けることをやめることができなかった。
国力の差が歴然としてたからね。三国といっても日本で言えば四国で本州に挑むようなもんだから、いくら兵の質が高くっても勝ち目なんてない。
魏が苦戦したのは内乱があったからだろうね。大きくなると内乱が起こる、悲しいね。曹操ほどのカリスマと天才でなければ、上手くまわらないんだろう。
もし、曹操が亡くなる10年前までに統一してれば、中国の歴史は全く違ったものになったのかもしれない。
曹家が長い間、続いてたかもしれん。

曹操にもう少し運があれば天下統一したんだろうな~
赤壁の大敗は偶々絶妙なタイミングで風がふいたことだから。素晴らしい策というより、風がタイミングよく吹いてくれる、苦肉の策がハマったといえると思う。物語上は計算ずくなんだが、実際は力差がありすぎるから成功率2~3割程度の策にすがったとみます。
やはり天運がなかったのだろう。
偶々の「風」で歴史が全く違う方向にいくんですね。文字にすれば「大敗」の2字ですむだろうが、その戦で何万死んだのももちろん、戦争が長引くことによって、苦しい生活をする人も沢山でるわけだ。

張飛がいい人になってましたね。泣かされました。
以前までのバカの暴れん坊って人物像はあんまりだ。そんなやつが数万人の兵をつかって戦なんてできんだろう。

色々な事を考えれて有意義な読書でした。
by lafin1992 | 2009-03-29 14:39 | 読書


<< フィッシュストーリー チェンジリング >>